2019年、日本ラグビー界は、ラグビーワールドカップ日本開催で大きく躍進しました。その大きな原因は、やはりラグビー日本代表の活躍ですね。
その際、いろいろなところで使われるようになった「ONE TEAM!」。小さな日本人が、また様々な国籍、出身地の人たちが1つに向かってひたむきにチーム の役割を果たして素晴らしい結果と感動を全国、全世界の人たちに見せてくれました。
今日は、ラグビーのコアバリューの1つ、「結束(Solidarity)」についてお話したいと思います。
結束(Solidarity)・・・(公財)日本ラグビーフットボール協会のコーチング講習会のテキストや競技規則の和訳では、「結束」と訳されています。「Solidarity」の語源は、「固まった」「硬い」と言うものらしいです。ラグビーで大切なのは、「どう言う人たちと固まった(結束)のか?」と言うことです。ラグビーは、様々な役割があります。それは、一人では、全ての役割を果たせないと言うことでもあり、グランド内で色々な人と「みんなで協力」してプレーすることが必要だと言うことです。そのため、練習時から、ゲーム(試合)で「みんなで協力」できたかチェックしてみてください。
特に幼少期には、社会的スキル(BASIC SOCIALISATION SKILLS)の基礎を学ぶ大切な時期です。
「結果」や「能力」だけでなく「プロセス」「頑張り」は、社会にとって、とても大切であり、「能力」には、「今すぐに必要なもの」「遠い将来に必要なもの」「価値が見えるもの」「価値が見えないも」そして家族や大切なパートナーのように「存在自体が価値あるもの」と多様なものであることを学ぶことが「尊敬」に繋がり、それが自分自身の成長や利益につながると言うことを実感できるように導くことが大切だと考えます。
それは、グランド内においては、全ての子供達が動いて参加(プレー)しているか?ゲームにおいては、全てのメンバーが一定の時間、グランドでプレーをしたか?
全てのメンバーは、ラグビーを「プレー」するためにグランドにきているのであって、特定のメンバーだけプレーをして、特定のメンバーが水を運んだり、応援だけで終わっていては、社会の多様性、能力の違いを幼少期に理解・実感することができません。
「全てのメンバーがゲームに出場して、そして成果を求める」ために「どのように工夫するか?」を思考して「結束」するプロセス、子供達の社会的スキルの成長に繋がります。
そのような機会が生まれるような練習計画、大会形式を大人が創造して行きたいものですね。
ラグビーやスポーツを取り組む上で、それぞれの発達段階に応じて自然と学ぶ機会に出会うことは、とても大切です。
幼少期(3〜12)に、いろいろな人がいることを実感し、いろいろな他者と協力して課題を克服していく、思春期から徐々に筋肉や骨が出来上がっていきます。そうすることによって、ポジションや競技レベルが徐々に分かれていきます。また自己の芽生えから他者との違いなどを認識していきます。それから自身の関わり方を模索しだします。
そして競技レベルに応じて「プレーヤー」から「コンペティター(競技者・選手)」へと移ることができるのです。
スポーツ科学が発達した現在、一流の競技者(アスリート・コンペティター)になるためには競技外の人たち、スポーツ以外の様々な専門家などと一緒に「チーム 」を作って「勝利」を目指します。
そのため一人ではなく、様々な人に目を配り、関係を構築する力が大切になります。
その能力は、幼少期の家庭やグランドでの人間関係で育まれるものです。
現代社会は、個の力をいかに組織に繋げていくか?」が大きな課題になります。
ラグビーの、スポーツのもつ「結束」と言うプロセス、価値が見直されているのだと思います。
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